Antibody-binding Bionanocapsule

Antibody-binding particle for Immunoassays

はじめに

当社では独自の抗体結合バイオナノカプセル(BNC)を製造しています。この抗体結合粒子は、複数の抗体結合ドメインを持つタンパク質が約100個集合して出来た約55nmのナノ粒子です。これらの抗体結合粒子にシグナル発生用の標識を施したものがMAD(Multi Antibody Detection)試薬です。MAD試薬としては約100個のHRP酵素を標識したものが代表的ですが、ALPや蛍光色素で標識したものもあります。MAD試薬は抗体(IgG)と強く結合するため、各種のイムノアッセイで利用可能です。
なお、MAD技術は更により良いものとするため研究開発中です。

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チラシはこちらから

原理

02抗体結合型BNCは一つの粒子に数百個(タイプによって異なる)の抗体結合ドメインを持つ粒子です。タンパク質が提示する抗体結合ドメインはプロテインA由来のもの、又はプロテインAとプロテインGのハイブリッド型ものを持ったものがあります。これらの抗体結合ドメインは抗体のFc領域と結合するため、抗体の抗原に対する結合には殆ど影響しません。また、抗体と混合すると右図の様な粒子の外側にFab領域を提示した複合体が形成されます。MAD試薬は200個の抗体結合ドメインを持つ抗体結合型粒子(BNC-ZZ)に最大100個のHRP酵素が標識されたもので、基本的に抗体結合粒子と相同の動きをします。
以下にMAD試薬を用いる場合の基本原理について述べます。下図に示すように抗原に結合した一次抗体は、従来法ではHRPなどが標識された2次抗体を用いて検出されます。一方、MAD法ではMAD試薬を利用して検出されます。この時、HRPの標識数はMAD試薬の方が2次抗体より50倍以上多く、且つ抗体結合サイトも数100倍多いため、MAD法では遥かに高感度で検出できます。また、抗体と予め混合して形成した複合体を利用することでワンステップ反応による検出も可能です。

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製品の種類と利用方法

1. BNC-ZZ (Bionanocapsule-ZZ)
本品はプロテインA由来抗体結合ドメイン(Zドメイン)を2個持つ抗体結合性のタンパク質で構成されたバイオナノカプセルです。BNC-ZZはマウスIgG1やヤギIgGなどに結合が弱いとい性質がありますが、非常に安定な抗体結合能を保有し、更に多くのHRP標識が可能という特徴があります。BNC-ZZの使用方法に関してはデータシートをご覧ください。

2. HRP標識MAD試薬
本品はBNC-ZZの1粒子当たり、100個の西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)分子が標識されたものです。ウェスタン用の2次抗体用、又は抗体検出型ELISAにおける抗体検出プローブ、又は、直接法による抗原検出ELISAの2次抗体として利用できます。ウェスタンやELISAに利用する際には本品を用いたキット化製品がありますのでそれをご利用下さい。なお、これ以外の用途に使用される際には使用目的等ご相談下さい。適切なプロトコールを提供します。
Easy-WESTERN-IIのチラシマニュアル(Super)マニュアル(Quick)
Easy ELISA constructorのチラシマニュアル

3. ALP標識MAD試薬
本品はBNC-ZZの1粒子当たり、20 個のアルカリフォスファターゼ(ALP)分子が標識されたものです。ウェスタン用の2次抗体用、又は抗体検出型ELISAにおける抗体検出プローブ、又は、直接法による抗原検出ELISAの2次抗体として利用できます。本MAD試薬に興味のある方はお問い合わせ下さい。

4. 蛍光標識MAD試薬
本品はBNC-ZZにCy dyeを標識したものです。抗体の蛍光検出の他、大阪大学産業科学研究所の黒田研究室で開発された方法により、複数抗原をマルチカラーで同時検出するウェスタン(IRODORI)、蛍光による免疫染色、サイトフローメトリーなどに利用できます。IRODORI等への使用に関しては下記の実施例や文献を参考にして下さい。なお、蛍光標識MAD試薬は受注生産ですので、利用されたい方はお問い合わせ下さい。

上記製品の使用方法を下表にまとめました。

抗体結合粒子ELISA等の固相化抗体の整列
樹脂等に結合し抗体トラップ
メンブレンに固相化し抗体の検出
QCMとの併用による高感度抗体検出など
HRP標識MAD試薬*ウェスタンブロット感度上昇(さらに、2次抗体併用による超高感度化)
簡易リプロービング
複数抗原の同時検出
ワンステップ反応による迅速検出
抗体検出ELISA感度上昇(さらに、2次抗体併用による超高感度化)
複数抗体の同時検出
ワンステップ反応による迅速検出
直接法抗原検出ELISA感度上昇(さらに、標識抗体併用による超高感度化)
蛍光標識MAD試薬ウェスタンブロット複数抗原のマルチカラー同時検出(IRODORI)
フローサイトメトリー複数抗原の同時免疫標識
免疫蛍光染色複数抗原の同時免疫標識

*:ALP標識MAD試薬でも同様のことが可能です。
上記の手法についてプロトコールや参考文献を提供します。

製品構成と価格

製品番号製品名製品概要容量希望販売価格(税抜)
BCL-DC-002Bionanocapsule-ZZ
(BNC-ZZ)
プロテインA由来抗体結合ドメイン提示BNC100μg¥100,000
BCL-MA-001HRP標識MAD試薬BNC-ZZをHRP標識したもの100μg¥140,000
BCL-MP-001ALP標識MAD試薬ALP標識したBNC-ZZ(受注生産)100μg¥140,000
BCL-MC-001~004蛍光標識MAD試薬Cy2、Cy3、Cy5、又はCy7標識BNC-ZZ受注生産お問合せ下さい

その他の標識物等も供給可能な場合があります。ご相談下さい。

Q&A

Q: BNC-ZZの保存期間はどの程度ですか?

製品に記載の保存条件どおりに保存すれば1年間以上問題なく利用可能です。

実施例

IRODORI(トップ図参照)の詳細はIRODORIプロトコールをご覧ください。
その他の蛍光MAD試薬を利用した免疫染色、サイトフローメトリーに関しては文献をご覧ください。