HBs 抗原

各種HBsAg抗原と抗体

HBs抗原はB型肝炎ウイルス表面抗原です。HBs抗原はB型肝炎ウイルスに感染した患者さんの血液中に見られ、B型肝炎に感染しているか否かの重要な判定の基準として用いられます。HBs抗原は脂質膜上に多くの抗原タンパク質を提示した粒子形(径約50~60nm)を取っています。提示されている抗原タンパク質は本来は3つのドメイン(S、Pre-S1、Pre-S2)から構成されるタンパク質です。3つのドメイン全てを保有している抗原はL型抗原で、Pre-S1を欠くものがM型抗原、Pre-S1とPre-S2両者を欠くものが、S型抗原です。B型肝炎ウイルスが肝細胞を認識する際にはPre-S1ドメインが重要な役割を果たしており、その後、B型肝炎ウイルスが肝細胞に感染する過程ではPre-S2が重要な役割を果たしています。感染した患者さんの肝細胞では絶えずHBs抗原が産生されますが、その際、殆どの場合はPre-S1とPre-S2両者を欠くS型抗原(HBsAgと呼ばれるのは殆どがこれに相当します)が産生され、血液中を流れていると言われています。当社はこの領域で10年以上の歴史を誇っており、研究用のHBs抗原として、遺伝子組換え酵母を用いて、種々のHBs抗原の製造を行っております。
なお、本ページに掲載の商品に関するご質問等はお問合せ下さい。

抗原の特長

当社で扱っている抗原は全て遺伝子組換の酵母又は大腸菌で生産されています。酵母で生産した抗原は粒子形を持つ抗原で、大腸菌で生産した抗原はペプチド抗原です。いずれの抗原もロット間の品質が殆ど変わらない安定した抗原です。また、感染の恐れがないことから安全に利用できます。
これらの抗原を利用して製造したもポリクローナル、モノクローナル各種の抗体を取り揃えております。これらの抗体はすべてウェスタンやELISAで利用可能です。

抗原の種類

当社で扱っている抗原の種類は次の通りです。

1. HBsAg L-protein
HBsAgの全ドメイン(S、Pre-S1、Pre-S2)を持つ酵母で生産した粒子型の抗原です。今回、主要な遺伝子型A、B、C、DのLタンパク質(抗原)を全部揃えました。従来品HBsAg L-proteinは遺伝子型CのLタンパク質であるため、HBsAg L-protein(gtC)と製品名を変えました。いずれの抗原も、B型肝炎ウイルスが保有する表面抗原と同じく感染に重要と言われる各遺伝子型のPre-S1とPre-S2を提示していますので、B型肝炎ウイルスの感染メカニズムの研究にも最適です。 詳しくはL-antigen データシートをご覧下さい。

2. HBsAg L-protein ST
HBsAg L-proteinと同じくHBsAgの全ドメイン(S、Pre-S1、Pre-S2)を持つ酵母で生産した遺伝子型Cの抗原ですが、Sドメインは修飾されているため、普通のS抗原としては働きません。即ち、本抗原は通常の抗HBsAg抗体では認識されませんし、自身が抗原となって通常の抗HBsAg抗体を作らせることもしません。他のドメインはそのドメインに対する抗体で認識されますので、HBsAgのPre-S1とPre-S2に対する特異抗原として利用可能です。B型肝炎ウイルス感染者の抗体に認識されませんので、抗体によるトラップを回避しつつB感染メカニズムを研究するために利用できます。詳しくはL-antigen ST type データシートをご覧下さい。

3. HBsAg XT
S抗原活性の非常に高い酵母で生産したHBsAgです。HBsAgとして良く用いられるB型肝炎感染者由来の典型的血清と比較すると凡そ3~5倍の高いS抗原活性を示します。本抗原はHBsAg定量時の標準抗原、抗体検出ELISA用の検出抗原、その他の用途に利用できます。詳しくはHBsAg-XT データシートをご覧下さい。 (注:以前販売しておりました商品番号BCL-AG-02の販売は終了いたしました。BCL-AGXシリーズは相同品で包装量を変えたものです。)

4. HBsAg S-protein
酵母で生産したHBsAgのS抗原(いわゆるHBsAg)です。本抗原はHBsAg定量時の標準抗原、抗体検出ELISA用の検出抗原、その他の用途に利用できます。本品は受注生産品です(納期は約1ヶ月)。詳しくは お問合せ下さい。

5. Pre-S1抗原ペプチド
Pre-S1領域を大腸菌で製造したものです。Tag付きの抗原と、Tagなしの抗原があります。いずれも遺伝子型A、B、C、Dの製品があります。一般的に、前者はイムノアッセイで利用する時に利便性が高く、標準品として利用するには後者の抗原が適しています。利用目的に応じて選択ください。詳しくはPre-S1 peptides データシートをご覧下さい。

6. Pre-S2抗原ペプチド
Pre-S2領域を大腸菌で製造したものです。Tag付きの抗原と、Tagなしの抗原があります。いずれも遺伝子型A、B、C、Dの製品があります。一般的に、前者はイムノアッセイで利用する時に利便性が高く、標準品として利用するには後者の抗原が適しています。利用目的に応じて選択ください。詳しくはPre-S2 peptides データシートをご覧下さい。

7. HBcAg
HBVのコア(C)タンパク質を大腸菌で発現させ製造した粒子状の抗原です。Cタンパク質は、集合すると相互に結合し粒子を形成し、カプシド構造をとります。本製品は、遺伝子型Cのコアタンパク質を発現させて製造したものです。詳しくはデータシートをご覧ください。

8. その他のHBsAg抗原
各種のHBsAg抗原、例えば、S抗原、M抗原、各種遺伝子型のHBcAg、その他の抗原が注文に応じて製造・販売可能です。お問合せ下さい。

粒子型抗原の製品と価格

製品番号製品名容量希望販売価格(税抜)
BCL-AG-01HBsAg L-protein(gtC)(遺伝子組換)100μg¥85,000
BCL-AGS-02HBsAg L-protein ST(遺伝子組換)100μg¥85,000
BCL-AGSC-01HBsAg S-protein(遺伝子組換)受注生産お問合せ下さい
BCL-AGX-02**HBsAg-XT(遺伝子組換)100μg¥85,000
BCL-HBC-01Hepatitis B virus Core antigen(recombinant, low100μg¥85,000
BCL-HAD-01Purified HBsAg,subtype,ayw-heat inactivated,preserved and filtered100μg¥85,000
BCL-HAY-01Purified HBsAg,subtype,adw-heat inactivated,preserved and filtered100μg¥85,000

ペプチド製品と価格

製品番号製品名容量 希望販売価格(税抜)
BCL-AGS1A-01HBsAg,Pre-S1ペプチド(gtA)(遺伝子組換,Tagなし)100μg¥85,000
BCL-AGS1B-01HBsAg,Pre-S1ペプチド(gtB)(遺伝子組換,Tagなし)100μg¥85,000
BCL-AGS1-02HBsAg,Pre-S1ペプチド(gtC)(遺伝子組換,Tagなし)100μg¥85,000
BCL-AGS1D-01HBsAg,Pre-S1ペプチド(gtD)(遺伝子組換,Tagなし)100μg¥85,000
BCL-AGS1A-21HBsAg,Pre-S1ペプチド(gtA)(遺伝子組換,Tag付)100μg¥65,000
BCL-AGS1B-21HBsAg,Pre-S1ペプチド(gtB)(遺伝子組換,Tag付)100μg¥65,000
BCL-AGS1-21HBsAg,Pre-S1ペプチド(gtC)(遺伝子組換,Tag付)100μg¥65,000
BCL-AGS1D-21HBsAg,Pre-S1ペプチド(gtD)(遺伝子組換,Tag付)100μg¥65,000
BCL-AGS2A-01HBsAg,Pre-S2ペプチド(gtA)(遺伝子組換,Tagなし)100μg¥85,000
BCL-AGS2B-01HBsAg,Pre-S2ペプチド(gtB)(遺伝子組換,Tagなし)100μg¥85,000
BCL-AGS2-01HBsAg,Pre-S2ペプチド(gtC)(遺伝子組換,Tagなし)100μg¥85,000
BCL-AGS2D-01HBsAg,Pre-S2ペプチド(gtD)(遺伝子組換,Tagなし)100μg¥85,000
BCL-AGS2A-21HBsAg,Pre-S2ペプチド(gtA)(遺伝子組換,Tag付)100μg¥65,000
BCL-AGS2B-21HBsAg,Pre-S2ペプチド(gtB)(遺伝子組換,Tag付)100μg¥65,000
BCL-AGS2-21HBsAg,Pre-S2ペプチド(gtC)(遺伝子組換,Tag付)100μg¥65,000
BCL-AGS2D-21HBsAg,Pre-S2ペプチド(gtD)(遺伝子組換,Tag付)100μg¥65,000

*:別容量の包装もあります。ご相談下さい。
**:BCL-AGXシリーズはBCL-AG-02の相同品です。

Q&A

Q: 抗原の保存期間はどの程度ですか?

製品に記載の保存条件どおりに保存すれば1年間以上問題なく利用可能です

実施例

ここで紹介した製品を用いた実験例です。実施例は各製品のデータシート中にも入っておりますので、それもご覧ください。

1. HBsAg-XT(BNC-XT)を用いた抗HBsAg抗体の検出系 BNC-XT実施例